イージーコントロールは、ドイツのゲーベル氏とシュテーター博士が協力して、開発したPHをコントロールする装置です。装置といっても左の写真の黒いパイプがイージーコントロールで、エアレーションするだけの簡単な物です。2002年にイージーコントロールをゲーベル氏に紹介され、同年、日本でも試作、試用がスタートしました。2003年には試作品のモニター販売がスタートしましたが、2003年9月時点では全国で300名以上、試作品の販売数は700本を越えていました。当時は、イージーコントロールの商品化、メーカーによる販売が計画されていましたが、2008年現在も商品化はされていません。しかし、現在でもアクアショップesのオリジナル商品として、イージーコントロールは販売されております。大量生産はできませんが、入江が手作りして皆様にご提供しています。2008年現在のイージーコントロール愛用者は、全国で数千人いらっしゃいますが、イージーコントロールを一度使用すると、「イージーコントロール無しではディスカス飼育は有り得ない」というくらい、重宝するアイテムです。現在、日本のディスカス飼育は水換えに頼り、毎日~週1回水換えをしている人がほとんどです。頻繁に水換えすることが、ディスカスにとって良いことでしょうか?答えはNOです。頻繁に水換えすることでディスカスは必要以上に粘液を出し、体力を消耗しています。例えば、ディスカスの稚魚を毎日大量の換水で管理した場合、鰓に障害が出てしまう場合があります。この場合の最善な対処法は、換水量を減らすことで解決します。閉鎖された水槽環境では水換えは必ず必要ですが、安定した良い水質を長く保つことで頻繁な水換えをせずに、ディスカスの体力消耗を最小限に抑えることができます。では、なぜ水換え中心の飼育方法が日本では数十年も続いたのでしょうか?それは、濾過不足を水換えで補うことが必要だからです。もう一つは、ディスカス向きの水質が軟水であり、この水質はPHが下がりやすい性質な為、PH維持を水換えなどでコントロールする必要があるからです。水質悪化を補い、PHを適正値で維持するために水換えを行っている人は大勢いらっしゃいます。ディスカス飼育を始めて2~3年間は、毎日でも水換えできるかもしれません。しかし、ライフスタイルが変わり、毎日行っていた水換えができなくなる時が必ず訪れます。2日に1回、1週間に1回と徐々に水換え頻度が落ちてきます。その頃は、飼育者も水換えに疲れ、ディスカスの調子も悪くなってきます。そんな飼育者は「ディスカスを10年、20年間飼育していたら、その間、この水換えが続くのか~」と自分の置かれた環境を冷静に考えます。そして、その答えは「ディスカスを止めよう」という人も少なくありません。ここ数年、ディスカス飼育を一時中断したホビーストが、飼育再開する人が増えてきました。ほとんどの人が、3~5年間くらい飼育していたが、何かの理由(結婚したや仕事が忙しくなった)で中断していました。そのな人が、1ヶ月に1回の水換えでディスカスを飼育できることを知り、「それなら、俺にも飼育できる!」と再スタートしているのです。イージーコントロールを使用すると、PH下降を制御できます。下限は、PH4,4くらいです。それ以上PHが下がろうとすると、イージーコントロールは強い力でPHを維持します。イージーコントロールを使用した場合と使用しない場合のPH変化を比較してみましょう。黒の折れ線グラフが、イージーコントロールを使用した時のPH変化です。ピンクの折れ線グラフが、イージーコントロールを使用していない時のPH変化です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

表の折れ線グラフの数値は仮定の数値です。飼育水の炭酸塩硬度やディスカスの飼育数により異なります。イージーコントロールを使用していない場合のグラフ(黒線)を見てみましょう。13日目に注目してください。PH7からPH6までは3日ほどかけて下降していましたが、PH6より数値が低くなると1日で0.8下降しています。19日目を見てください。17日めから19日目までの2日間でPHは一気に1.8下降しています。これは、PH6.0より低い数値は緩衝能力が低下していることを表しており、PHが下がりやすい飼育水に変化したことによるものです。PHは低い数値になると水中のバクテリアが減少して飼育水は澄んだきれいな水になり、ディスカスの発色が良くなりますが、6.0以下はPHが下がりやすい水なので、毎日PH測定して注意する必要があります。繁殖以外の通常飼育では、PH6.0以上をキープしたほうが飼育しやすいでしょう。こんどは、イージーコントロールを使用した場合のグラフ(ピンク線)を見てみましょう。30日目までは、一度も水換えをしていません。PHは7.0からスタートしましたが、緩やかに下降しています。23日目から30日目までは、PH4.4~4.5を維持しています。私の実験では、水換え無しで90日目まで4.4を維持しました。イージーコントロールを使用した場合でもPHは下降しますが、グラフのとおり1日単位のPH変化は少なく、ディスカスは「昨日と同じPH値かな?」と勘違いするくらい穏やかです。アマゾン河を思い浮かべてください。アマゾン河のPH変化は、このグラフのどちらに近いでしょうか? “安定した水質”を可能にするのが、イージーコントロールです。イージーコントロールの特徴は他にもあります。先にご説明しましたが、PHが低くなると、水中のバクテリア(良いバクテリアや悪いバクテリアなど全て)が減少します。PH5を切る頃には、飼育水は黒光りして、まるで水槽に水が入っていないような透明感がでてきます。その頃のディスカスは、見違えるような綺麗な発色をしているでしょう。イージーコントロールを使用していない人の中で、「水換えをしないでPHが下がったら、ディスカスが綺麗になった」や「PHが下がったら産卵した」など経験した人は大勢いらっしゃるでしょう。でも、ディスカスの調子がよいのでそのまま放置したら、「ディスカスの餌食いが悪くなった」や、もっとひどい場合は「ディスカスの目が白くなった」など、調子が良いと思っていた先に調子を崩してしまう経験をお持ちの方も多いでしょう。これは、PHが下がりすぎたことが原因で、PH4を切ると起こる症状です。イージーコントロールは、調子を崩す一歩手前のディスカスが絶好調のPH値を長期間にわたりキープします。PH4.4は低すぎる?いえいえ、餌食いも良く、絶好調のPH値です。上のグラフは、日本の平均的な水道水(KH2~3)での変化です。繁殖を狙う場合などは、飼育水をR/0浄水器やピートなどで軟水化することで、繁殖のチャンスが増えます。KHが0に近い水は、イージーコントロールを使用していても、PHは上記グラフよりも早く下降します。上記グラフでは、繁殖に適しているPH値(5.5を仮定とする)は15日目です。自然にPHが下がるまで15日間待たなくてはなりません。そこで、水道水を軟水に処理します。軟水に処理した水は緩衝能力が低い水ですが、その特性を利用するのです。酸化物質に反応しやすい水なので、飼育者の思いのままにPHを下げることができます。例えば、「3日目でPH5.5にしよう」ということも可能です。イージーコントロールを使用した場合の水質(PHやバクテリア)をお話しましたが、いちばんの特徴は「ディスカスと飼育者のストレスを軽減する」ことです。ディスカスは毎日安定した環境。飼育者は水換えに束縛されることなく、毎日、給餌と観察が主な管理となります。管理に追われることなく、余裕のある趣味にしてくれるのがイージーコントロールです。イージーコントロールよ使用した場合でも、水換えは必要です。水換え時期は硝酸塩濃度で決めます。飼育水の硝酸塩濃度を定期的に計測し190mg/l(300mg/l以上でも問題はありませんでした)になったら水換えをして硝酸塩を取り除きます。水換え時期は水換えできる量により異なります。水換え用の水を一日汲み置きできる場合はエアレーションして準備します。給水時にはエアレーションによって上昇したPHをPHマイナスで調整します。これは、給水によるPHの急激な上昇を抑えるためです。アクアショップesでは、PHを6.0~6.5に調整してから給水しています。この時の注意ですが、PH4.4くらいの水槽の飼育水にPH6.5程度の水を給水するのでPHは上昇しますので、急激な上昇を緩やかにするために、ゆっくりと給水しましょう。店では、80%程度の水換えを行っています。汲み置きができない場合(浄水器を使用していても汲み置きしていない場合も含む)は、二酸化炭素のことを考えて水換え量は50%程度で止めましょう。水換えする場合は、必ずアクアセイフやフォーインワンなどの体表の粘膜保護剤を使用してください。軽いPHショックなども含め、粘液分泌を抑える効果があります。硝酸塩濃度が高くなるとコケが出ますが、ブッシープレコを入れて対処します。残り餌も食べてくれる、ディスカスのよきパートナーとなります。世の中には、水換えをした方が魚が大きくなるといった間違った情報があるようです。水換えをしたらディスカスが30cm、40cmと異常に大きくなるのでしょうか?例えそうなったとしても、私は巨大なディスカスには興味ありません。通常のディスカスは16~18cmが平均的なサイズでしょう。育成しだいでは20cmオーバーも可能です。イージーコントロールを使用した場合でも、この平均的なサイズに育て上げることは可能です。日本で過去に開催されたディスカスコンテストで、イージーコントロールによる「月に一度の水換え」で幼魚から育て上げられたディスカスが、何度も入賞、優勝を勝ち取っています。
イージーコントロール・モニター販売(試作品販売)の経過報告
イージーコントロールが日本に紹介されてから、数年が経ちます。この数年間、アクアショップesでは手作りのイージーコントロールの販売を続けてまいりましたが、その数は数千本と予想以上の販売数です。しかし、イージーコントロールを使用している人は、ディスカスを飼育している人の中でも極一部の人達だけでしょう。イージーコントロールの生産にも限界があり、商品として流通していないため、一部の人しか知らないのが現状です。飼育方法も、書籍で書かれている内容は「日本固有」の飼育方法です。しかし、その独特な飼育方法が日本で数十年も続くことで「通常」になってしまっているのが事実です。私もイージーコントロールを使用するまでは「水換え命」の飼育方法で管理していました。毎日、2トンの水を換えていましたが、イージーコントロールを店に導入してからは、管理が大きく変わりました。今ではイージーコントロールでPHをコントロールして、月に一度の水換えが通常になり、水換え中心の管理は過去のものになっております。そして、イージーコントロールを使用しているホビーストの皆さんも、水換え中心のディスカス管理には戻らず、イージーコントロールを使用しての管理が「通常」になるつつあります。
お客様から頂いた沢山のメールの中から、チョットだけ編集無しでご紹介いたします。適当に抜粋しましたので、載った人、載らなかった人がいらっしゃいますが、ご了承ください。
(東京都のお客様)お世話になります。8月からイージーコントロールを使用しているのですがphがとても安定しています。そろそろ交換時期のようなので1本注文したいのですが。宜しくお願いいたします。(秋田県のお客様)いつもお世話になっております。イージーコントロールのおかげか水槽のディスカスたちもスイスイ泳いでいます。(長野県のお客様)水質は多少上下しますが、7.0くらいから ph1/日くらいの調子で、下がって来て、現在は、5.8くらいになっています。 6から5くらいが合うのか今、絶好調という感じで全固体は元気に泳いでいます。 さらに、今まで元気が無かった固体も、バリバリ餌を食べるようになって来て、イージーコントロールの神秘さえ感じます。6.5くらいからイージーコントロールを作動させていますが、ゆっくり下がるのは、非常に安心感があります。さて、今回も、普通では聞くことが出来ない、ゲーベルさんの、貴重な情報を本当にどうもありがとうございます。その中で、「あっという間に4.0を切ってしまう・・・」とは、まさに、イージーコントロールのお世話になる前の、私の水槽の状態でした。 いろいろと、ご教示いただき、ディスカスに対する見え方が変わってきた気がしています。また、しばらく様子を見まして、イージーコントロール使用の状態をレポートさせていただきます。 本当にありがとうございました。(長野県のお客様)その後の水質はきわめて安定した状態で、現在のphは約5.8です。以前は、下がる一方でしたが、今では上がることもあり、イージーコントロールが、まさにコントロールしているのかな?と実感しております。 (簡単なレポートですみません。)(沖縄県のお客様)イージーコントロールを設置してからPHが安定して、水替えから解放されゆっくりとディスカス達を眺めることが出来るようになりました。(鹿児島県のお客様)昨年の9月にイージーコントロールを購入しました、Hですが、新しくしたいと思いますので注文をしたいと思います。(広島県のお客様)去年の11月にイージーコントロールを購入させていただいたHです。ご無沙汰しています。イージーコントロールがきかなくなったので、また購入したいと思います。できれば、はやくお願いします。 (沖縄県のお客様)ところで、昨年10月からイージーコントロールを使用し、PH下限4.6位で安定させ飼育していますが、使用期限半年とのことなので、1本注文お願いしたいのですが在庫はありますか?(最近からPHが4.6を下回るようになってきました)(埼玉県のお客様)こんにちわ、イージーコントロールを使い始めて、約一年になりますが、もう、手放せない商品になりました。これからも、モニターを続けたいのですが、イージーコントロールを提供して、頂きたいのですが、宜しいでしょうか?今年7月頃、交換時期なんですが(3本めです)宜しくお願い致します。それから、エーハイム2217にサブストラップを入れてから、一年たちますが、ろ材の交換は、どの位、ですれば良いのか、お教え下さい、イージーコントロールに、出会えて、本当に感謝 感謝です。(群馬県のお客様)お世話になります。またまた、イージーコントロールの交換時期になったようです。大きいのを2本欲しいのですが、ありますか?(東京都のお客様)先日はイージーコントロールありがとうございました。確かにPHの降下が遅くなりディスカスの調子も上がって来ています。

 

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