ブルーダイヤモンド
皆さん、ブルーダイヤモンドを知ってますか?
こんなディスカスです。生まれた時から青一色のディスカスで、突然変異のディスカスです。
ディスカスの商売を始めたは1995年ですが、店を始める直前の自宅水槽には、このブルーダイヤが何百匹も泳いでいたんです。ブルーダイヤをブリーディングしていたんですよ~。当時は、青系の頂点がブルーダイヤとされており、高価でしたね~。そしてそのトップがヤットサニーでした。高かったな~。片手以上はしていたな~。
その後、ゲーベルさんと知り合い、ゲーベルディスカスの販売を始めたのですが、ゲーベルディスカスはナチュラルディスカスなので、突然変異などの品種はいません。でも一つの品種だけ突然変異が混ざってしまったのです。ゲーベルさんとサニーさんは、ディスカスのブリーディング友達です。ゲーベルさんがブリーディングした品種はサニーさんの所へ。サニーさんがブリーディングした品種はゲーベルさんの所へ。ディスカスの行き来があったのです。
ある日、サニーさんの所から来たディスカスとゲーベルさんの品種を掛け合わせました。ゲーベルディスカスのソリッドブルーと言えばブルーシルクです。これは昔むか~し、ターコイズをワイルドグリーンを掛け合わせて作出された品種です。相当年数が経っているので、新しい血を入れるブリーディングが行われました。ゲーベルディスカスのソリッドブルーといえば唯一ブルーシルクだけです。新しい血を導入するには、別系統のディスカスが必要です。ほとんどのブリーダーは、買ってきたりした他人が作出した品種を使って系統維持しています。ゲーベルさんに言わせるとこれってブリーディングではなく養殖なんです。ゲーベルさんは、ブリーディングのパートナーであるサニーさんのディスカスかワイルドを使うか選択に迫られました。そして選ばれたのがサニーさんの品種です。なんでサニーさんのディスカスを選んだかって? 品種名が「シュミットフォッケブルー」だったからでしょうか?
この頃のブルーシルクは、大きく分けると2系統ありました。オリジナルのブルーシルク系統とブルーシルクにSFBを掛け合わせた系統です。今回は、後者のブルーシルクにSFBを掛け合わせた系統のお話です。
この2つの品種を掛け合わせたらブルーダイヤモンドが3割程度生まれたんです。ブルーシルクには、ダイヤの血は入っていません。0%です。ダイヤの血はSFBに入っていたと考えられます。繁殖に使用したSFBはダイヤ表現ではありませんでしたが、遺伝子に入っていたと考えられます。
この当時、ゲーべルさんは「ブルーダイヤの遺伝子を排除しようとブリーディングを重ねている」と言っていました。結局、ゲーベルさんがブリーディングを引退するまでにダイヤの遺伝子排除は成功しませんでした。この作業は、日本でも行われました。
日本では、ブルーシルク(ダイヤの遺伝子入り)とジャーマンレジェンドターコイズのクロスからスタートしました。同じグリーンディスカス(ワイルド)の系統です。もちろんブルーダイヤ表現の個体はブリーディングに使用しません。結局、隔世遺伝でダイヤ表現は現れ続けました。生まれた全個体にダイヤ表現はいなくても、次の世代に出現するという具合です。
その後、隔世遺伝でダイヤ表現で出し続けるターコイズ(ブルーシルクとのクロス)で繁殖を続けてもダイヤの遺伝子は排除できないということになり、ワイルドのグリーンディスカスをクロスすることになりました。
ターコイズとワイルドグリーンのクロスを行ったところF1では、ダイヤは出現しませんでした。F2ではどうでしょう?ダイヤ表現が出現する親魚の組み合わせと出現しない親魚の組み合わせがありました。もし、片親はターコイズで片親はワイルド。このF1を不特定多数の人に販売していたとします。買った人が成魚に育ててブリーディングしたら3割程度ブルーダイヤが出現することになります。人によっては「俺がブルーファイヤを作出した!」と大騒ぎするでしょうね~。そんなことで、今もブルーシルクの系統は残っていますが、このブルーダイヤの遺伝子入りなのす。先の写真のブルーダイヤがそうなんです。
このブルーダイヤをしっかり立て直せば、ちょっと面白いかもしれないな~と考えたりもします。このブルーダイヤは、esに2匹とJGSメンバーが数匹持っています。ダイヤを生むターコイズもいるし何とかなるでしょう。でも、こんなの繁殖していたらゲーベルディスカスファンに怒られそうだしな~。