フルボ酸による硝化細菌(ろ過バクテリア)の発生実験

2015年11月 アクアショップes 入江 博

■試験目的 天然フルボ酸は、ろ過バクテリアの発生と硝化を良くする働きがある。新規にろ過を立ち上げる場合のフルボ酸の働きを検証した。
■試験場所 アクアショップes
■試験機材 1.水槽 30cm水槽
2.フィルター 小型外部式フィルター
3.ろ過材 専用ろ過材
4.添加材 フルボ酸(赤・黒)
5.水質検査 共立パックテスト(アンモニア・亜硝酸・硝酸)
6.生体 ホームセンターで購入した金魚(リュウキン)
7.餌 フレークフード
■試験方法 新品未使用の水槽及びフィルターを3セット用意して、それぞれの水槽に同サイズの金魚を3匹導入した。1セットは、フルボ酸無添加。1セットは、フルボ酸の黒を添加。1セットには、フルボ酸の赤を添加した。 給餌は、スプーン(小)で計測して各水槽に同量を給餌した。 アンモニア発生から硝酸(無害)に浄化されるまでのバクテリアによる硝化時期を比較した。尚、市販のバクテリア添加材は使用しないで、バクテリアの自然発生でろ過を立ち上げた。

 

■試験結果
フルボ酸添加 アンモニア 亜硝酸 硝酸 備考
初日 0 0 フルボ酸(黒)18ml添加
フルボ酸(赤)27ml添加
無し
10日目 アンモニア濃度が高いため換水 80%水換え・フルボ酸添加
3週間目 0 1以上
0 1以上
無し 0.25 0.2
24日目 アンモニア濃度が高いため換水 80%水換え・フルボ酸添加
4週間目 0 0
0 0
無し 0 10
6週間目 0 0
0 0
無し 0 0.2

 

■まとめ
フルボ酸を使用した場合、3週間目にアンモニア濃度が下がり、亜硝酸濃度が上昇した。これは、アンモニアを分解するニトロソモナスが十分に発生してことによる硝化である。一方、フルボ酸未添加区は、アンモニア濃度は高く、亜硝酸が0.2ppm発生しているので、ニトロソモナスがやっと発生し始めたと言える。 4週間目にフルボ酸添加区は、アンモニア及び亜硝酸は検出されなくなり、ろ過バクテリアが十分に発生したが、フルボ酸を添加していない水槽は、ニトロソモナスは十分に発生したものの、ニトロバクターの発生が遅いため、亜硝酸が検出されている。無添加区は、6週間目にアンモニア及び亜硝酸が検出されなくなった。 フルボ酸を使用しない水槽は、ろ過バクテリアの発生が2週間遅れていることになり、フルボ酸を使用するとフィルターの浄化能力が早く発揮できることになる。 又、ろ過バクテリアの発生が早いということは、短寿命で入れ替わるろ過バクテリアの安定度が高くなるとも言える。